会話の含みと慣習的含み

文や発話が、それが論理的に含意するわけではないようなことを言語的に含意する仕方がいくつかある。 「会話の含み(推意)」によって、その文が字義通りには意味しないことを伝える 論理的には同じ意味を持つが異なった含意(「慣習的な含み」)を持つ表現…

ほとんどの反事実条件文は偽なのか...?Alan Hájek "Most counterfactuals are false"(video)の覚書

https://www.youtube.com/watch?v=fzZ7944AJRk 反事実条件文とは、「もしAだったらCだっただろうに」という形の文だ(形式的には「A□→C」という書き方がされることが多い。)。例えば、このマッチをすれば火がついただろう、とか、桜が一切存在しなかったら…

反事実条件文の文脈主義に関する覚書

先日のアンケートの結果(https://twitter.com/MasahiraSho/status/1424703708399505414;https://twitter.com/MasahiraSho/status/1424704491299872771)おおよそ予想どおりだった。やっぱ(A)の方が気持ち悪いよなぁ… とはいえ、(B)にも気持ち悪さを感じる…

確率主義とダッチブック論証(D. Bradley (2015) *A Critical Introduction to Formal Epistemology* Ch. 3前半部分のまとめ)

伝統的な認識論だと、(端的に)信じている・信じていない・判断保留 という三つの状態が問題となり、あることを信じている時にそれが正当である条件は何か、などが問題になったりする。一方、形式認識論では端的な信念ではなく確信の度合い(信度)が問題に…

知識ロンダリングー鋭敏性不変主義とTransmission principleー

最近読んだJ. MacFarlane (2005). "Knowldge laundering: Testimony and sensitive invariantism" という論文が面白かったので紹介する。 知識帰属に関して「鋭敏性不変主義」と呼ばれる立場がある。これは、文脈主義のように「知っている」という語の意味(…

Lewis. (1979). “Scorekeeping in a language game” 読書ノート

Lewis. (1979). “Scorekeeping in a language game” の読書ノート(レジュメ)です。 例1. 前提 うまくいっている会話の中の任意のステージにおいて、ある程度のことが前提されている。前提は、一つの会話の過程の中で、創られたり壊されたりしうる。 この変…

J. Hawthorne (2002) “Lotteries, Lewis and Preface” 読後メモ

J. Hawthorne (2002) “Lotteries, Lewis and Preface” は、D. Lewisの文脈主義に対する厄介な問題を提示し、Lewisに寄り添いながらその解決を目指す論文である。 提示される問題は次の通り。ベンは5000人の友達がおり、全員がギャンブルで負けまくってスッカ…

J. Greco (2003) "Knowledge as credit fore true belief" 読後ノート

Greco (2003)を読んだのでメモ。

Stewart Cohen (2000) "Contextualism and Skepticism"の読書メモ

Stewart Cohen (2000) "Contextualism and Skepticism"の読書メモです。 https://drive.google.com/file/d/1OR9VgTv4pnX-ijfI4faYM2VftovOBwB2/view?usp=sharing ・Cohenの文脈主義のポイントは、知識帰属者(知識帰属文の主張者)の置かれている文脈によっ…

認識的文脈主義(SEP)まとめ

SEPの"Epistemic Contextualism"(https://plato.stanford.edu/entries/contextualism-epistemology/)の内容を簡単に&大雑把にまとめました(一部まとめていない箇所もあります)。暇な時に更新するかもしれません。間違いなどあればご指摘ください。 docs.…