2021-01-01から1年間の記事一覧

会話の含みと慣習的含み

文や発話が、それが論理的に含意するわけではないようなことを言語的に含意する仕方がいくつかある。 「会話の含み(推意)」によって、その文が字義通りには意味しないことを伝える 論理的には同じ意味を持つが異なった含意(「慣習的な含み」)を持つ表現…

ほとんどの反事実条件文は偽なのか...?Alan Hájek "Most counterfactuals are false"(video)の覚書

https://www.youtube.com/watch?v=fzZ7944AJRk 反事実条件文とは、「もしAだったらCだっただろうに」という形の文だ(形式的には「A□→C」という書き方がされることが多い。)。例えば、このマッチをすれば火がついただろう、とか、桜が一切存在しなかったら…

反事実条件文の文脈主義に関する覚書

先日のアンケートの結果(https://twitter.com/MasahiraSho/status/1424703708399505414;https://twitter.com/MasahiraSho/status/1424704491299872771)おおよそ予想どおりだった。やっぱ(A)の方が気持ち悪いよなぁ… とはいえ、(B)にも気持ち悪さを感じる…

確率主義とダッチブック論証(D. Bradley (2015) *A Critical Introduction to Formal Epistemology* Ch. 3前半部分のまとめ)

伝統的な認識論だと、(端的に)信じている・信じていない・判断保留 という三つの状態が問題となり、あることを信じている時にそれが正当である条件は何か、などが問題になったりする。一方、形式認識論では端的な信念ではなく確信の度合い(信度)が問題に…